『言えないコトバ』益田ミリ(集英社)


私の言えないコトバ、スワッグ。 

花束を逆さにして壁に飾ると、スワッグ。果たしてそういう理解で合っているのか?

 だいたい、正しいイントネーションがわからない。 強調すべきは「ス」なのか、「ワ」なのか。音の高さは、「ス」から「ワッグ」にかけて上げる感じ?それとも下げるのが正解? こういう時、宮崎なら便利だ。宮崎弁では、橋も箸も、柿も牡蠣も、同じだもの。 ただし、今は宮崎に住んでいるわけではないので、それらはできれば会話の中に出てこないでほしい単語だ。「かき」「はし」たった2文字に毎度ドキドキして、「海のかき」「果物のかき」とか、冠をつけるようにしている。  

そして、話はスワッグに戻る。 明らかに「スワッグです」って感じで逆さまになって売られていても、「スワッグください」とは言えない。でも、「その花束ください」もちょっとダサっぽくて言えない。もう、なんて言ったらいいのさ。


 も一つ言えないコトバ、ガーランド。 

こちらも同じく正しいイントネーションがわからないのだけれど、それ以前に、あの小さな旗の連なりに「ランド」とは、なんと大袈裟な! ディズニーランド、ニュージーランド、ポーランド…「ランド」って、そういう大きなイメージなのだ。ガーランドって…そんな…ただの三角の旗ですよ!(多分そのランドとは違う意味だと思うけれど。)


 口癖よりも、「言えないコトバ」にこそ、そのひとらしさって現れているような気がする。 

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