よーく読むと、すごい!八頭町立図書館の企画。

月に一回、八頭町の3つの図書館が持ち回りで編集する「くつろぎタイム」。今月号を手にとって、「ぬいぐるみおとまり会」なる企画に驚き桃の木山椒の木。

「2:30 ぬいぐるみと一緒におはなし会。」まではいいとして、「3:00 ぬいぐるみは家に帰らずにとしょかんにとまる」から先が、なんかすごい。静かにすごい。斬新。


大好きなぬいぐるみを通して想像する、“よるのとしょかん”

言っちゃあ、ぬいぐるみを図書館に預けるだけなんですが、「ぬいぐるみはとしょかんをたんけんしたり、しごとをする」というテキストに添えられた、ちゃんとみんなで一緒に寝てる証拠写真!親がお泊まり保育にいった我が子を想像する感覚と、たぶん一緒。心配で、でも想像すると「きっと楽しくやってるんだろうな〜」というワクワク感。


大好きなぬいぐるみが、かりたい本を選ぶ。イッツメッセージトゥーミー!

幼少期、お気に入りのぬいぐるみに「○○ちゃんはプリンが大好物なんだよ〜」とかいろんな設定をつくっていた思い出って、多くの人にあるのではないでしょうか。私は大いにありますね。(サンリオのシナモンでした。)

そんな子供達にとって、自分のぬいぐるみが「この本を選んだんだ!」っていうのって、すっごくドリーミー!このぬいぐるみに、意思があるという証拠。嬉しい。絶対、嬉しい。きっと家に帰ってすぐにその本を読みたいし、何度もなんどもぬいぐるみに読み聞かせてあげたくなる。その本も、きっと特別に感じる。だってこの子が選んだのだから!子を思う親と一緒です。


改めてまとめると、この企画のすごいのは、

子どもの代わりにぬいぐるみを泊めることで、

→企画の「一泊二日」を可能にし、費用も手間もリスクもないのに、なんか“壮大”。

→子どもは自分が泊まるよりも想像力が膨らみ、むしろワクワク感が倍増  

→ 費用も手間もリスクもないので、費用対効果(効果=子どもと本の関係づくり)抜群。


そして、「くつろぎタイム」を紙媒体を使った企画の伝え方として秀逸なのは、

終始「ぬいぐるみは○○する」、主語をぬいぐるみに徹底することで

→子ども達がぬいぐるみを通して想像を膨らませ疑似体験する「よるのとしょかん」の具体性がぐんと高まる。

→企画の魅力が、大人にも伝わる。うちの子ども、参加させてあげたくなる。

個人的には「おむかえをまつ。」で説明が終わっているところがまた、たまらない切ない。「子どもたち、ぬいぐるみをお迎えに行こう!」でなく「ぬいぐるみ、おむかえをまつ」。ここまで主語をぬいぐるみに徹底。


ほんと、アイデア次第。書き方次第。

0歳から100歳までが集う場所を運営する人として、すごーく勉強になりました。

八頭町立図書館さん、毎月ありがとうございます。


追記

今月の図書には、「超入門 ラグビーのみかた」が入ってました。ちゃんと旬を捉えて選書してくださってます…!そういうところがまた、嬉しいです。

日照雨

諸岡若葉の、ものごとの記録と表現。

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