羽田発鳥取行き、着陸前30分の思考。

「当機は、あと30分ほどで鳥取空港に到着の予定です。」

アナウンスで目が覚めた。手には読みかけの、漫画。ちゃんと開いたまま、寝ていた。


窓の外を見ると、海だった。小さな島がぽっかりと浮かぶ、その少し手前に、二艘の航跡が仲良く並んでいた。綿々と広がる海は青いのだけれど、それは高価な絵の具を何色使っても再現できない青である。それは海には深さがあって、深さが青く見せているのだろうと思い、またそこから想像が続き、「なぜ人間はお金がないと生きられないのか。クジラや魚や生き物たちは、お金なんて概念を持たずにこんなに広い海でいきているのに。」なんてことにまで繋がって、それはなかなか面白い答えが出たので、ぜひ誰かと喋りたいと思っている。


私の想像が終点に近づく頃には、果てしなかった海にも岸が見えて来て、それは岩美の海になった。私が知っている海だ。やがて砂丘も見えて来て、空からみるといかに砂漠の緑化が進んでいるかがようくわかった。砂丘のてっぺんにモサモサと、ひよっこみたいなオアシスができ始めていた。あちらこちらに。


それはそうと、この漫画はとてもいいです。鳥取には定有堂がありますが、東京にもたくさんのいい本屋さんがあって、これはこの出張中に買ったものです。ぜひ、読んだ方がいれば(なかなかいないと思うけど)、教えてください。

思考する小学生、花ちゃんは、私の中にもいた小学生です。大人になって、いい本や漫画に出会えたり、東京で新しい友達に出会えたり、やっぱりお金は必要だなあと思いました。




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