『すーちゃん』シリーズ(益田ミリ)
誰かを嫌いって気持ちがぶくぶくと膨らんだり、隣にいる「オンナとしてうまく生き抜いていそうな人」を妬ましく思ったり。それで、意地悪してしまうこともある。
「私、いつ結婚するのかな。できるのかな…」と、寂しくなる。老いるということが突然真っ暗なトンネルに思えたり。とも思えば、ちっちゃな幸せで「ああ、このままおばあちゃんになりたい」ってホクホクしたり。
男の人がいつまでたっても少年であることが羨ましい。女の子はどんどん「オンナ」になってゆくから。でも、大人の女性の中にも「女の子」は生きている。そして、時々ひょっこり顔を出す。ミリさんの本を読んでいると、そんな「女の子」の私が隣に、ちょこんと座っているような気分になるのだ。
大丈夫よ。いいの、いいの。
醜い自分も、可愛い自分も、ぜーんぶ、私。
許しちゃって、いいのよ。
って、ちっちゃかった、女の子だった私が、今の私をよしよししてくれている。
大人になった私は、本を握りしめてホロリと泣いてしまったり、クスッと笑えたり。
あ、これが自分だった。
隣で、「ほらね」と、女の子の私が、笑っている。
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